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■MOVIE■『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
Wed.04.04.2012 Posted in Movie
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2001年、NY。

9.11の同時多発テロで、最愛の父を亡くしたオスカー(トーマス・ホーン)。

1年後、父のクローゼットで1本の鍵を見つけた彼は、亡き父が残したメッセージを探すため、ただ一人、NYの雑踏の中に飛び出て行くのだが・・・。


ジョナサン・サフラン・フォアの同名小説を、スティーブン・ダルドリーが監督した作品。

共演に トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、マックス・フォン・シドー、ヴィオラ・デイビス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト、ゾーイ・コールドウェル他。



原題は『Extremely Loud & Incredibly Close』。





▼9.11のことを描いた映画を観るのは、いまだにとても辛い。多分、あの瞬間にあなたがあの場所にもしいたらとつい考えてしまう、幾人もの血肉の通った親しい友人知人が身近にいて、彼ら彼女らの喪失体験を間接的にであっても自分も共有しているからなんだろうと思う。
▼映画に関して言うならば、9.11の「以前」と「以後」はカラーが明白に分かれている。いくつかの作品には、いかにエンタテイメントに徹した内容であっても、"それ"の影響が色濃く出ていて、ああ、世界はあの日を境に完全に変わってしまったんだな、と感じることがとても多かった。もしかしたら、あの直後よりもむしろここ数年の方が、その傾向がより顕著になってきているかもしれない。作り手の中で、あのことを消化してなんらかの形で表現するのに、10年という月日が必要だったということなのかと解釈しているけれども、実のところはまだよくわからない。
▼オスカーはアスペルガー症候群の少年で(劇中でオスカー本人が検査を受けた、でも未確定だったけど、と言う台詞があるが、それはつまり、そういうことなんだろう)、他人とうまくコミュニケーションをとることができない。一方で、あの日ツインタワーに閉じ込められて、そのまま命を落としてしまった彼の父親は苦労人で、とても練れた大人。
▼父が亡くなった後、ある日忽然と姿を現わす父の父-つまりオスカーの祖父-はドイツ出身。ドレスデン爆撃のトラウマで声が出ないというのは、実は、単に彼の「歴史」の一部分であって、肝になるのはそこではない。父を越えて(つまり一世代を飛び越えて)この祖父と孫は、そっくり同じ資質の持ち主なのだ。他人と円滑(かつ永続的)な関係が築けないという点において。アスペルガーも失語症も、そんなものは言ってみれば後付けの理由に過ぎない。二人は出会ったその瞬間から互いに強く惹かれあうけれども、それは二人がそっくり同じ魂を持つ人間同士だからだ。
▼この映画は、傷ついた魂を持つ二人の人間が、自らを癒す長い長い旅を続ける過程で巡り合う様々な人々-個々様々な「問題」を抱え、自分の現実と日々遮二無二向き合っている雑多な人々-と、ひいては彼らと「わたし」の生きる「わたしたちのこの世界」を癒していく、ロード・ムービーだ。
▼父(とその面影)を探して歩くロード・ムービーという点で、本作とはほとんど鏡のように対になる作品に、イラク戦争後のクルド人の老婆と孫の彷徨を描いた『バビロンの陽光』という傑作映画がある。しかし、同じ体裁をとっていても、あの映画と本作の読後感というか-その感触はまるで違う。同じ「現実」を描いた映画のはずなのに、この違いは何だろう。それが「ここ」と「あそこ」の違いなどとはわたしには到底思えない。受け入れがたい差異がそこにある。








去年。
2011年9月11日に、Hと初めて、9.11のことを話した。

日本を地震と津波が襲って半年。
あのテロの日からは10年という、区切りの日だった。


わたしたちは前を向かなきゃいけない。
今生きている人間と、関係を築いていかなければいけない。

それが、この世界に生きているものの務めだから。





たとえ何があろうとも、生きていること。
愛する人が、この世界に生きていてくれることに、感謝したい。




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comments

10年という歳月

あまりに大きい喪失を、社会がある程度消化するには10年が必要なんやな~というのは、神戸の震災を体験して実感できた感覚ではあります。

まりさんのことやから絶対もう読んではると思うけど、原作はまったく別物でした(いい意味で)。そしてそれはたくさんのオスカーたちがいるという事実をつきつけられた気持ちにもなりました。

aya姐さん

原作よんでませんっっ(力一杯)
が、ただいま原語版を取り寄せ中です。来週には読めるかな。日本語では読む気がせんです、なんとなく。

良い映画でしたよね。子役の彼とか、あんまり演技は上手じゃなかったけども、それが逆にとても良かった。ただ、色々な意味でわたしは冷静に見ることが難しい作品でもありました。この映画の登場人物が、皆多かれ少なかれわたしの友人たちでもあったからだろうと思います。

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