寂しくはなかった。
ただ、しみじみとした充実感だけがあった。
自分にできることは、すべてやり尽くした。
全力投球した、という実感があった。
何よりも、彼の細やかな愛情で。
わたしは、心身ともに満たされていたのだと思う。
全力投球したというか。
させてもらえた、というか。
なんというか。
彼と、二人三脚で。
二人のProject Brunswickを完遂した!というような。
そんな気分だった。
今までも、彼には、いつも助けてもらっていたけど。
このときは、彼のほかには。
友人も知り合いも一人もいない。
初めての街だったいうこともあって。
頼れるのは、本気で、彼しかいなかった。
実際には。
彼を頼るということは、わたしは、しなかったけれども。
精神的には、やはり。
わたしは、いつも、彼を必要としていたし。
彼も、きちんとそのことをわかっていてくれて。
さりげなく、でも。
何くれとなく。
こまめに、わたしをフォローしてくれたことを。
わたしは、肌身に感じていた。
このときから少し、間を置いた今のほうが、より。
彼の心遣いが、よくわかる。
いつもそうなのだ。
彼の優しさは、いつも、時間差で。
後から、身に沁みてくる。
あまりにも自然で、さりげないから。
そう。
わたしが、アメリカで。
自分のやりたいことをやりきって。
いつでも、全力投球できるのは。
わたし自身の実力なんかではないのだ。
何よりも。
わたしの無謀さも。
考えなしの猪突猛進も。
見切り発車も。
外国人ゆえの不慣れさも、言葉のハンデも。
人間的な未熟さも。
わたしのすべてを、丸ごと受け止めてくれる。
彼の、大きさがあってのことなのだ。
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