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Autumn in New Brunswick -11-
Sun.22.01.2012 Posted in @Theater

滞在最後の舞台は、とてもとても、素敵だった。


翌日のマチネが千秋楽だったから。

夜の舞台は、この日が最後。



満員御礼のSold outで、たいへん充実した舞台。



キャストも皆、気合が入っていた。




120122-1.jpg






もっとも、この日は演出家と脚本家が揃って、客席で鑑賞していたし。
それは、出演者にしてみれば、気合も入ろうというものだったろう。




そんな中、彼はといえば、いつもと同じ。
というか、彼の場合は、普段から気合が入っているというか。

時として周りから浮いているよ!というくらい。
常に、手抜きなしの全力投球なので。


そこは、もう、いつもと変わらなかった。



わたしは、彼の、そんなところが大好きなのだ。




120122-3.jpg







終演後。





毎度毎度。
もうほんとに、毎度。


滞在時は、本気で、毎公演の前後。
つまり、マチネとソワレがあるときは、一日に、少なくとも二度は。


彼に呼ばれて、わたしは、彼に会いに行っていた。




・・・要するに、お互いにヒマだったのかな?と。
今となると、思わないこともないけれども。



いや、でも、彼。
わたしと会う前後には、仕事のミーティングやらなにやらで。

常に、予定は入っていたし。



マンハッタンにいるときほどには多忙ではなかったにせよ。

やはり、忙しい中、時間をやりくりして。
会う時間を、作ってくれていたんだろう。



だからといって、何も、毎回毎回会わなくても。
これだけしょっちゅう会ってるのに、いつも。

・・・とも、思ったけれども。




彼にしてみれば、マンハッタン以北の僻地までよちよちやってきているわたしのことが、多分。
心配でもあったんだろう。


彼は紳士なので、そんなことは。

一言も、言わなかったけれど。





つまり。

単に彼は、わたしの顔が見たかったんだろうと思う。



それは、わたしにしても、同じことだった。








120122-2.jpg




この日、もはや通いなれた楽屋の扉を開けて。


まず最初に、わたしの目に飛び込んできたのは。






ガラスの花器にいけた、華やかな。

一抱えもあるような、大きな大きな、豪華なブーケだった。






それは、わたしが、昼間。

彼に贈った。



誕生日の花束だった。






楽屋にストックしてある一番大きな花瓶に、水を張って、ブーケをいけて。


中央の、大きな丸テーブルに。


つまり、部屋で一番目立つ場所に。




それは、飾ってあったのだった。










実は、このブーケは。


束ねた姿もデコラティブな、凝ったブーケだったので。


ペーパーやラッピングで、アイビーや実もので装飾したステム部分を隠してしまうにしのびなくて。

わたしは今回、あえて、保水をしないで。


彼にそのまま、贈った。




後から、そのことが、やはり、若干気がかりで。

もしそのまま、楽屋に夜まで置かれたらどうしよう、と。



しっかり水揚げはしてあるから、半日くらいは、絶対に大丈夫なはず。
とはいっても、花には、水があるほうが良いに決まっている。



それで、マチネの幕間に、わたしは、彼に、メールを書いていた。


もしできれば、手間でなければ、花を水に入れてあげて欲しい、と。




それまで、楽屋に何度も行っていて、いくつか、花器のストックがあるのを見ていたし。
あのどれかにいけてくれると良いな、と思ったのだ。




でも、結局、そのメールは、出さなかった。




花は、彼に贈ったものだ。
プレゼントした時点で、もう、彼のものなのであって。


自分が差し出がましいことを言うべきではない。
それはおせっかいというものだ、と思い直したから。



萎れてしまっても、それはそれで仕方がないこと。
いずれにせよ、彼に任せよう、と。






そうしたら。



ああ、あれにいけてくれると良いな、と思っていた。
楽屋にあった花器の中で、一番大きなガラスのベースに。



たっぷりと、水を張って。



しっかり、大事そうに、いけてくれていたのだ。








あのときの、わたしの気持ち。




嬉しい、なんてものじゃなかった。


感動なんて、そんな安い言葉では。



とてもとても、言い表せない。





わたしにとって、花は、わたしの分身のようなもの。
というか、わたし自身なのであって。



特に、彼のために作った花はそう。






自分の作った花を大事にしてもらえるということは、すなわち。

わたし自身を大事にしてもらっているということと、完全に同義で。



わたしにとっては。








彼は、わたしが何も言わずとも。

わたしの気持ちも、わたしの心も、すべてわかっていてくれていた。





何もかも、全部通じている。





あの、楽屋に大切に飾られた、花を見た瞬間。

わたしには、それがわかった。



それまでも、わかっていたことだけど。

彼を、いつも、信じていたけれども。






まったく同じことを。


同時に、考えてくれていた。



そして、その通りにしていてくれた。




それも、わたしがひそかに望んでいた、できうる限り最善の方法で。




そのことが、わたしの心に響いた。







ああ、もう、言葉はいらない。

心と心で、わたしたちは、わかりあえる。




涙が出そうだった。





本当に、本当に。








心が震えるほどに、うれしかったのだ。






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