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Follies
Wed.11.01.2012 Posted in @Theater

120111-1.jpg


『Follies』を観た。






言わずと知れた、ソンドハイム御大の名作のリバイバル。


1971年の4月にオープンしたオリジナル・プロダクションは、ハル・プリンス演出、マイケル・ベネットの振付という豪華版。
トニー賞の11部門にノミネートされ、7部門を受賞。

ただし、ソンドハイム作品の例に漏れず、興行的にはあまり成功とは言えなかったようで。
522回のパフォーマンスの後に、クローズしています。


今回は、主軸となる二組のカップルに、バーナデット・ピータース×ダニー・バーステイン、ジャン・マックスウェル×ロン・レインズという、(特に女性の)スター・キャスティングを据えた上での、B'wayでは二度目のリバイバル。



で。




そのスター・キャスティングが、見事に。

裏目に出ておりました。




なんといっても、サリー役のバーナデット・ピータースがあかん。


って、このプロダクションの一番の目玉が彼女なのに、それはどうか。





わたしは、彼女は決して嫌いではないんです。
先日見た『A Little Night Music』は素晴らしかったし、サム・メンデス版の『Gypsy』のママ・ローズも、あれはあれで良かったし。

生舞台は観ていないですが、『Sunday in the park with George』のドットなんて、彼女のためにアテ書きしてますよね?くらいの超・ハマリ役でした。


声や歌い方こそ、あまり好みではないものの。
唯一無二の、そのキュートな個性は、とても好きでございます。



が。



サリー役には合ってない。



この役には、もっと天然が入った、茫洋とした雰囲気の女優さんの方が、向いていると思います。
そんなに華は要りません。

むしろちょっと生活に疲れてる、くらいで可。


引退したショウ・ガールで、現在は平凡な家庭の主婦っていう設定だし。


ここぞというときだけ、往年のスター・オーラをチラ見せすれば、それでよろし。



バーナデットだと、この役に対しては、あまりに自我が強すぎる&華やかすぎる。


ご本人も、おさえてもおさえても漏れ出てしまう自分のスター・オーラを、(恐らくは)よくよく承知しておられるので。
それをカモフラージュしようとしてか、どうも。


過度のブリっ子演技が、鼻につきました。


かといって、カマトト演技をするには、バーナデットは。
いくらなんでも年をとり過ぎ、若作りしすぎで。



要は、全体に、たいへんチグハグな印象。



それでもさすがに、ところどころで。
おっ、これは・・・!という瞬間は、あるんですけどね。

2幕のソロ、"Losing My Mind"とか。

でも、あそこのバーナデットが、何でそないに良かったかというと、おそらくそれは。


あれが、サリーの、脳内・奥様妄想劇場だったから。



・・・だと思うわけです。


サリーの、"妄想の中に生きる美しいスターなわたし"を演じるバーナデットは。

本来の彼女が纏う、キラキラしいスター・オーラを惜しみなく発揮。

舞台上で、とても輝いておられた。


ただし、その瞬間が持続しない。



残念也。



ということで、サリー役に関しては、残念ながら。
彼女のニンではなかったというのが、不肖わたくしの感想。


大スター様に対して、ほんと、申し訳ございませんね。。。



あとは、そうねぇ。


あ、ジャン・マックスウェルは素晴らしかったです。


スター様としては、キャリアにしても実績にしても。
バーナデットに、2歩も3歩も遅れをとる女優さんですが。

この芝居に関しては、バーナデットのサリーに対して、彼女のフィリスの圧勝。



同じく2幕の、彼女の奥様妄想劇場での持ち歌 "The Story of Lucy and Jessie"は、最高でした。




でもって、各々の旦那役であるところのお二人に関しては。
中年色男ロン・レインズにピクリとも反応できなかったのは、自分の業の深さのせいとしても。


ご贔屓ダニー・バーステイン氏が、なんかなァ。。。
もったいない使われ方だなァ、という印象。


演技も歌も達者なのに、この精彩の無さは一体なんだろう、と。


わたくし、客席で一人、首を捻っておりましたが。


もしかしたら、100万回は見た1987年のコンサート・バージョンのマンディ・パティンキンと自分、無意識に比較しているのかもしれないな、という気もしたので。



そもそも、この役は、ヨメに振り向いてもらえないしがない車のセールスマンのおっさんという設定。
憂さ晴らしは、セールスの旅での浮気くらいっていう。

だからまァ、そもそもは、このくらい地味でも良いのかもしれないな。
パティンキンがアクが強すぎたのかも、という風に思わないでもなかった。




そのほか、このミュージカルは、とにかく名曲揃いで。


ミュージカルにそんなに馴染みがない方でも、 "Broadway Baby"や "I'm Still Here"、 "Too Many Mornings"あたりは。

どこかで一度は耳にしたことがあるんじゃないか?と思いますが。


これら綺羅星のごとく並ぶ、珠玉のナンバーの数々を。

ウェスト・エンドの大スター、エレイン・ペイジを筆頭とした。
これまた贅沢なスター・キャストが、次々に歌い上げていくのは、オリジナルやコンサート版と同様です。


が、こうやって、一つの芝居として見せられると。


たしかにそりゃもう、華やかは華やかですが。
主軸のストーリーが、その都度、ばっさり分断されるので。
(それぞれの曲は、上述主役のカップルの熟年泥沼恋模様とは直接の関係なし)


コンサート版のときは、まったく違和感がなかったのですが。
つまり、レビューなら、別に、何の問題もない演出ではあるということなんですけども。


1本のミュージカルとしては、この構成って諸刃の剣かも、と。

若干、思わなくもなかった。




でも、"Broadway Baby"(コンサート版ではあのエレイン・ストリッチ婆!)の開き直りっぷりは、相変わらず楽しかったです。





あとは、裏ぶれたシアターのあちこちに、彼や彼女らの往年の姿が亡霊のように。


彷徨いつつ、時折。



(リアルな)彼や彼女らの現在にさりげなく絡む。。。と見せかけて。

最後まで絡まないのが、たいへん素敵でした。


シャイニングの亡霊みたいで。



絶妙に寸止めなかんじ。


粋。




亡霊(というか生霊というか)たちの衣装も素敵でしたし、何よりも。

彼女らの緩慢な動きを、ドラマティックに舞台上に照らし出す、陰影のあるライティングが、とてもとても、素晴らしかった。



このライティング(Natasha Katz)は、きっと、トニー賞を獲るんじゃないでしょうか。







基本的にはしっぶいショウですし、下敷きになっているのはそれこそ"Ziegfeld Follies"だったりしますし。

主役たちの恋愛模様にしたって、思いっきり熟年の恋。


大人の恋ってのは一筋縄ではいかないぜ、ハッピーエンドなんざガキに任せとけ的な。


ビターなお話でございます。



The Mature。





ので、決して万人にはお勧めはいたしませんですが。




とにかく、楽曲はどれもこれも素晴らしく良いので。

ソンドハイム御大の奏でる幻想的なシンフォニーに身を委ねて浮世の憂さを忘れたいという向きには、よろしいかと思います。






しかし、無闇なスター・キャスティングは、ほんと。



ほどほどにしていただきたい・・・。






わしは、スター様が見たいのとちゃうねん。

充実した内容の芝居が見たいのじゃ。









『Follies』 @Marquis Theatre
Cast List:
Bernadette Peters
Jan Maxwell
Danny Burstein
Ron Raines
Elaine Paige
Christian Delcroix
Rosalind Elias
Colleen Fitzpatrick
Lora Lee Gayer Michael Hayes
Jayne Houdyshell
Florence Lacey
Mary Beth Peil
David Sabin
Kirsten Scott
Frederick Strother
Nick Verina
Susan Watson
Terri White
Lawrence Alexander
Brandon Bieber
John Carroll
Mathew deGuzman
Sara Edwards
Leslie Donna Flesner
Jenifer Foote
Leah Horowitz
Suzanne Hylenski
Danielle Jordan
Joseph Kolinski
Amanda Kloots-Larsen
Brittany Marcin
Erin N. Moore
Pamela Otterson
Clifton Samuels
Kiira Schmidt
Brian Shepard
Amos Wolff
Ashley Yeater



Production Credits:
Eric Schaeffer (Direction)
Warren Carlyle (Choreography)
Derek McLane (Scenic Design)
Gregg Barnes (Costume Design)
Natasha Katz (Lighting Design)
Kai Harada (Sound Design)
James Moore (Music Direction)
Jonathan Tunick (Original Orchestrations)



Other Credits:
Lyrics by: Stephen Sondheim
Music by: Stephen Sondheim
Book by: James Goldman




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