スポンサーサイト
--.--.--.-- Posted in スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
May, 2009
Tue.25.10.2011 Posted in @Theater


初めて出会った日から、3年半。



2009年5月。





彼は、足掛け10年近く務めた、Phantom役の降板を決めた。







その数ヶ月前から、そろそろだろうな、ということは。

彼と身近に接していて、わたしには。



なんとなくは、わかっていた。





彼が、公式にステイトメントを発表したのは。
わたしが、あの5月に。


NYに滞在していたとき。


帰国する、2日前のこと。





たまたま、と言えばたまたまです。
彼も、別に。



わたしの渡米に合わせて、わざわざプレスリリースを出したわけではない。





でも、結果的に、わたしは。

彼の身内外の人間としては、一番。



彼に近いところで。



その「時」に、立ち会うことになった。








その夜、終演後。


いつものように、彼の楽屋で過ごしながら。



わたしは、淡々と。

ああ、これは運命だな、と思った。








悲しいとか、寂しいとか。


そういう気持ちは、まったくなかった。



彼が決めたことだもの。





彼が決めたことならば、自分は、いつでも。

どんなことでも支持する、と。


わたしは、心に決めていたし。




彼にもいつも、そう言っていました。







ただ、こうやって一つ一つ、物事を区切って。
それまでやってきたことを総括して。

暫時、過去と決別して。


前へ進んでいくのが、きっと、人生なんだろうな、と。



そのとき、わたしは思った。





実際、彼はわたしに、人生の節目節目に。
どう対処したら良いのかということを、身を持って。





もっともわたしに響く方法で、見せてくれたのだ。








わたしは。



プロの編集者として、長い間。

文字(言葉)を扱うことを、自分の仕事にしてきたけれども。




反面というか。
だからこそ、というか。





言葉というものを、基本的に、一切、信用していない。





要は、口では何とでも言えるだろってやつで。


人間の脳が繰り出す言葉なんて、全く、信じていない。






わたしが信じるのは、その人の行動。

それのみ、です。





文字や言葉や文章の持つ力には、多分、職業柄もあって。

人様よりも、敏感なだけに。



その裏にある、誤魔化しやレトリックや嘘にも、自分は、きっと。



人一倍、神経質なんだと思う。




その点。


人間は、行動では絶対に嘘はつかない。



というより、「つけない」ものだから。






心にもないことをやってしまった、とよく言うけれども。


それは逆で。

やってしまったことが、その人の、本当の本音なのだ。





人間の身体ってのは、存外正直なものだ。









四の五の言うな、体で示せってのを、常に自分に課しているという点で。


彼とわたしは、全く同じタイプの人間です。





そんなことを話し合ったことは、一度もないけれども。



生きていく上でのプリンシパルというか。
基本スタンスなんてもなァ、長く接していれば。




自ずからわかる。






というか、そこが一緒でないと、精神的に、こんなにも近いところで。


これほど長くは、お互いに、絶対に、付き合ってこれなかっただろう。









その夜。



楽屋には、一報を知ったキャストやスタッフが。



次々と、現れては、彼に挨拶をしていった。




わたしは、彼の傍らで。




1人1人に微笑みかけ、時には手を握り。




にこやかに、言葉を交わす彼の姿を、じっと見つめていた。








あのときの、彼の、穏やかで。



淡々と、自然で。


堂々と、落ち着いた姿。





プロとして、役者として、一人の人間として。



男として。





本当に、素敵だった。







惚れ惚れした。







ああ、たくさんの人に彼のあのときの姿を、ぜひ見ていただきたかった。

と、思う反面。




いや、それはありえない。



彼が、わたしだけに。
共有することを許してくれたことだ、ということも。




わたしには、よくわかっています。







あのときの彼の姿は、その後、わたしが。



数々の緊迫した局面や。

乗り越えなければならない困難に相対したときの、最良のお手本になりました。






今でも、それは変わらない。




本当に、本当に、本当に、素敵だったんだもの。








あのとき、彼の姿を、誰よりも間近に見て。




わたしは、心に決めたのだ。




わたしも、こうやって生きていこう。





この人のようになろう。





自分の道を切り開いて、堂々と歩いていこう。





自分の力を信じよう。








それがわたしの運命だ。






自分がこの世に生を受けたのは、そのためだったんだ、と。






« Hydrangea in Autumn | Home | Argosy, Strand, B&N »

comments

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。