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Love, Flowers, Music
Tue.19.07.2011 Posted in @Theater


数多ある好きな芝居の一つに。


ソンドハイム作の、『Sunday in the Park With George』がある。




この作品、表面的には。


点描で有名な19世紀のフランス人画家、ジョルジュ・スーラの大作、"Un dimanche après-midi à l'Île de la Grande Jatte"をモチーフに、スーラとそのモデル(にして恋人)のドットの、時を超えて紡がれる愛と葛藤がテーマ。



・・・であるかのように見せておきながら。




実は、スーラに自身を投影した作者(=ソンドハイム)本人の。

アーティストとしての、赤裸々なジレンマ・自意識・葛藤・誇り・迷いを描き出すことに主眼が置かれている。




曲調も意匠も時代背景や風俗も、要するに。
見た目は一見、とてもロマンティックな作品だけれども。



よくよくその内容を見ていくと、結構、人間臭いというか。

自身を含む、アーティストの身勝手さや、エゴや。
要は、並の人間よりも、感情や感性の容量が大きいだけに、振幅が激しくて。



本人も時にもてあますその泥臭い内実に、容赦なくスポットをあてていて。




表現を生業にする。
あるいは、真剣に志す人間だったら、誰しもが。


深く共感せずにはいられない作品となっている。






ああ、やっぱりソンドハイムは只者じゃないな。
自分のことをこんなに客観的に描けるなんて。

普通だったら、眼を背けたくなるような自分の暗部にまで、とも思うけれども。




アートというのは、それこそ、吐くまで。
どんなに苦しくとも、自分ととことんまで向き合わないことには、先へ進めないものだから。



ソンドハイムがこの作品の中で試みた自己分析は、多かれ少なかれ。
アートを志す者であれば、皆、日常的にやっていることなのだ。



彼は、単にその作業の過程を取り出して、分析して、客体化して。
作品にしているだけのこと、とも言える。






110719-2.jpg






挿入されている曲の中では、"Putting It Together"も"Move On"も大好きで。

それぞれ、深く感じるところがあるのだけれども。


タイトル曲の"Sunday in the Park With George"の中に、とても身につまされるフレーズがある。







ドットは、スーラのモデルを務めている。



スーラ自身は、モデルである彼女のことを描いているようでいて、実のところは彼女のことなど見ていない。
画家として彼女を凝視している彼の眼は、彼女の体を透過して。



その先に広がる、自分の世界を見ている。



モデルであると同時に彼の恋人であるドットは、公私ともに彼のパートナーであるだけに。



彼の真実を、「わかってしまう」のだ。




この曲は、ひたすら自分の絵の世界に没頭するスーラに向かって。

切ない自分の心の内を、問わず語りに訴えるというスタイルで、静かに、訥々と歌われる。




自分の芸術のことしか考えていないスーラには、彼女の声は届かない。


だから、この曲は、モノローグ・ソング。




George, you're good
You're really good
George's stroke is tender
George's touch is pure
Your eyes, George
I love your eyes, George
I love your beard, George
I love your size, George
But most, George, of all
But most of all
I love your painting





ジョージ、あなたの好きなところは、こんなにたくさんある、
その眼も顎鬚も、あなたの体も、すべてを愛している。

だけど、わたしが一番愛しているのは、ジョージ。

何よりも。


あなたの絵なの。






・・・ソンドハイムは、一人のアーティストとして。
この世で一番、自分が、愛する人に捧げられたい、愛の言葉、愛の告白を。



ドットの口を借りて、世に出したんだな、と思う。










わたしなら、わたし自身を褒められるよりも。


わたし自身を愛したい、と言われるよりも。




わたしが欲しい、と懇願されるよりも。







あなたの花を愛していると言われるほうが、ずっと嬉しい。








自分の作品は、自分よりも、もっと自分自身。






自分の結晶のようなものだから。







110719-1.jpg





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