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■MOVIE■『英国王のスピーチ』★★★★★
Tue.08.03.2011 Posted in Movie

kings-speech-poster-2.jpg



1936年、イングランド。


国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の後継として即位した皇太子エドワード8世(ガイ・ピアース)は、離婚歴のあるウォリス・シンプソンと結婚するために、即位後1年を経ずに退位する。

ジョージ6世として、嫌々ながら王位に就くことになった弟のアルバート王子(コリン・ファース)は、幼い頃からの重度の吃音症に悩んでいた。

王妃エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、オーストラリア人の言語障害療法士、ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねて王の吃音の治療を依頼するが・・・。



トム・フーパー監督作品。
共演にデレク・ジャコビ、ティモシー・スポールら。


第83回アカデミー賞、作品、監督、主演男優、脚本賞受賞作品。

原題『The King's Speech』。







人生には、運命を変える出会いというものがある。




わたしは、出会いに偶然なんて、あり得ない。
すべての出会いには必然性がある、と信じています。



今まで生きてきて、自分の経験からそう思う。



真剣に生きていれば。
そして、その道が正しければ、その時々で。


行くべき方向を指し示してくれる人、手を差し伸べてサポートしてくれる人。
教え導いてくれる人や、温かな声援を送ってくれる人が必ず現れるものだ。


人生は辛いことも沢山あるけれども、いやでも、そう捨てたもんじゃないよ、と。

わたしが今、こうして言えるのは。


そうした人々との出会いに支えられて、これまで自分が生きてきたという。
確かな実感があるからだと。



そう思っています。





kings_speech.jpg



この映画が素晴らしいのは、この当時の、押しも押されぬ世界一の(とあえて言う)エスタブリッシュメントであった、英国王を主役に据えながら。



複雑な英国王室の内情や、風雲急をつげていた国際情勢やらの、映画作りにはいとも魅力的な、美味しい背景を。

潔くばっさり切り捨てて。

あるいは、遠景に追いやって。



一人の人間と人間の出会いが、彼らのその後の人生をどのように変えたのか。

お互いが出会うことによって、それぞれの内側の世界が、いかに豊かになったか。



「必然の」出会いが双方の内面にもたらした、ドラスティックな変化に焦点を絞っていることだと思います。



それは、二人にとっては劇的な変化だった。

外からは一見、窺い知れないだけに。





ある人間との出会いが、時として。
その人の内面に、激烈な化学変化を引き起こすということは実際にあるのだ。


その変化の過程で湧きおこる、戸惑いや驚き。
歓喜、恥じらい、あのなんとも言えない清清しさや、あるいは鮮烈さと言ったものを。


本作は、実に丁寧に。


一つ一つのシーンを大切に、繊細に描写していました。




kings-speech.jpg



自分の弱点から逃げず、人のせいにすることもなく。
正面から受け止めて、一つ一つ克服していくこと。


それが「生きる」ということだとわたしは思うし、また。


もしも人間が美しくなれるとしたら、腹を括って自分の弱みに向き合うことを決意をした、その瞬間でしかないだろうと思っています。




ジョージ6世の場合は吃音という障害があり、かつ、本人が望みもしないのに一国の王に擁されるという。
個人的・国家的なクライシスがあった故に、こうしてドラマになっているわけだけれども。


彼に訪れた危機も、その危機を乗り越えるために彼が辿った過程も、シチュエーションは大小違えども、誰の上にでも起こりうることだ。



また、ジョージ6世にローグがいたように。

その瞬間、どんなに一人ぼっちだと思っていたとしても。


必ず、その戦いを支えてくれる人が傍にいてくれることもまた、疑いのない事実で。



かつ、支えてもらっているつもりで、実のところは。

戦っている本人が、誰よりもその人を支えているということもある。



ローグが、ジョージ6世の存在によって救われたように。



友情ってのは、かくも美しいものなのだ。





ks4.jpg





ジョージ6世を演じたコリン・ファースの、繊細かつチャーミングな魅力もさることながら。

何よりも素晴らしいのは、やはり、ジェフリー・ラッシュの複雑にして味わい深い役者っぷりでした。



資格もなければ教養もない、オーストラリア出身のあやしい言語療法士。

芝居が好きで、役者になりたいけどもいっこうに芽が出ず、そんなときにたまたまアルバート王子と縁を持った彼には、むろん、当初は多少の野心もなくはない。


そんな人間が、治療にあたるうちに、癇癪持ちで不器用だけれども誠実な、王子の人間性に触れて。

彼との交流の中で、彼のトラウマを解放するのと同時に自分自身をも同時に癒していくその過程を、時にコミカルに、また時にセンシティブに表現するその緻密な演技力たるや。


まさに職人技、というか。

はっきり言って、もはや神の領域。


実に素晴らしかった。




ks1.jpg




とても地味ですが、隅々まで目の行き届いた配役、衣装、撮影。

ティモシー・スポールほか、イギリス映画でおなじみの面々も皆さすがに、ところを得た良い演技をしています。



ジョージ6世及びローグの家庭の描写もほのぼのと温かくて、とてもよかった。

細かいところまで本当にきちんと、丁寧に作りこんである作品でした。






英国王がハンデを克服する物語であると同時に、本作は。

一人の人間が、過去の自分を赦し、解放し、自分自身の足で立つまでの姿と。


戦いの過程で芽生える、かけがえのない友情。



そして何より、人間の美しさを描いた話でもあります。




とても素敵な映画です。



どなた様にも、是非。



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