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Christine Ebersole Sings Noel Coward
Tue.08.02.2011 Posted in @Theater


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わたくしの、最近一番の愛聴盤。


『Christine Ebersole Sings Noel Coward』。






クリスティン・エヴァソールと言えば。


『42nd Street』と『Gray Gardens』で二度のトニー賞主演女優賞を受賞した、ベテラン・アクトレスです。



ミュージカルからプレイ、映画にキャバレーまで、活躍の場も非常に幅広い方で。


わたしは、『Blithe Spirit』のエルヴィラ役で観たのが初見でしたが。



このときに、ふわふわしたお化けの美女役を、愛嬌たっぷりに演じておられたこの方のチャームに、一発で魅せられて以来。


ファンなのでございます。





『Blithe Spirit』は言わずと知れた、劇作家にして作曲家にして役者。
さらに演出家でもある。

泣く子(=わたくし)も黙る、ノエル・カワード作。



もはや古典と言ってしまってもよい、古き善き、ライトかつ大人なウェルメイド・コメディです。



ストレート・プレイなので、役者は、劇中でこそ歌いませんけれども。



幕間には、なんと、クリスティンが歌うノエル・カワードの楽曲がオケ代わりに劇場に流されるという洒落た趣向が凝らしてありまして。


しかも、その曲が、どれもこれも大変素敵だったんです。


優雅で、ロマンティックで、リリカルで。



一幕から二幕の間、クリスティンの独特の節回しと。

ソフトなソプラノに、うっとりと聞き惚れながら。


「ああ、これアルバムにして売り出せばどんなにか良いのになァ」などと思っていたら、1年の後に、こうして改めて発売されたんだから。



わかっていらっしゃる方がおられるのだな。



有難いことだ。







ノエル・カワードといえば、わたしは.


一昨年の6月には、The York Theaterのプロダクションで『High Spirits』を。

昨年12月には、Roundaboutの『Brief Encounter』を観ています。


前者はミュージカル。
後者はストレート・プレイでございますが。


『Brief Encounter』は、ちょっと変わった演出でして。



というのは、この作品の中では。

プレイにも関わらず、主演二人の男女以外のキャストが、ある意味。


オーケストラも兼ねており。


道ならぬ恋に密かに燃える(あまりにおおむね無口な)、中年男女の心模様を、脇から。



主筋には関係のない色恋沙汰を絡めて、婉曲に表現してみたり。


あっけらかんとした歌やダンスを添えることで対照的に提示する、あるいは彩るという。


非常に凝った趣向でした。



で、そこで使われる楽曲が、すべて。


ノエル・カワード作曲のものだったんです。




さらに、それらの楽曲は、ほぼ。


この『Christine Ebersole Sings Noel Coward』に収録されている内容でカバーできます。





ノエル・カワードの芝居や歌は、洗練が過ぎるあまりに、若干、スノッブというか。


どんなにロマンティックな恋をテーマにしていても、そこははっきりと絵空事というか。



お約束とでも言いましょうかね。



人物描写とか、あえて類型に落として記号化して。


観客の過度の思い入れを、拒むようなところがあります。




だから、一見お気楽なんだけども、ニヒルで。



底には、苦い諦観がある。




でもそれをそのまんま見せても仕方がない、というか。



要するに、野暮なことがキライなんだろうな、と思いますけども。




だから、極端なお気楽と洗練というオブラートで包んでみせるというのが、彼の芸風であり。




そういうことをこそ"sophisticate"というのだ、と。




わたしは信じています。




コール・ポーターなんかもそうですけども。




わたしはそこが、とても好き。




彼らには、一切の暑苦しさがないから。



というか、わたしに言わせればボードヴィルやミュージカルっていうのは元々。


そういう特徴を持った芸能であって。



クリシェを多用することによって、事象や人物や背景を抽象化し、さらには記号化し。

あらゆる物事を、逆説的に洗練させて、観客を魅せるものであろうと。


"煙にまく"と言っても良いな。



最近は、そうでもないものも多いですけどもね。






とにかく、なんていうのかな。



このお二方には、観る者(聴く者)をぽーんと突き放すような、ある種の乾いた味がある。




それこそ子どもにゃわからん、Bitter Sweetな。





そんな個性が、クリスティンの声や歌唱にぴったりフィットして、たいへん味わい深い作品に仕上がっております。









たくさんの恋を経験した、大人な女性にこそお薦めしたい。




とても素敵なアルバムです。




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