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秀山祭九月大歌舞伎
Thu.23.09.2010 Posted in 歌舞伎・落語


中秋の名月の昨夜。


新橋演舞場へ。





9月の夜の部は、義太夫狂言が2本、舞踊が3本。

演目・配役は以下の通り。



『猩々』
  猩々  梅 玉
  猩々  松 緑
  酒売り  芝 雀


『平家女護島 俊寛』
  俊寛僧都  吉右衛門
  瀬尾太郎兼康  段四郎
  海女千鳥  福 助
  丹波少将成経  染五郎
  平判官康頼  歌 昇
  丹左衛門尉基康  仁左衛門


『鐘ヶ岬』
  清姫  芝 翫


『うかれ坊主』
  願人坊主  富十郎


『双蝶々曲輪日記 引窓』
  南与兵衛後に南方十次兵衛  染五郎
  女房お早  孝太郎
  平岡丹平  松 江
  三原伝造  種太郎
  濡髪長五郎  松 緑
  お幸  東 蔵




目当ては無論、俊寛。



俊寛は、これまでにも。

勘三郎、幸四郎、仁左衛門ほかスター配役で、何度も観ていますけども。



わたしが観た中では、この役は、ダントツで吉右衛門さんが嵌っておられる。



柄の大きさ、その威容。

俊寛の優しさと峻厳と無残とを、全く無理なく。

その不安定に揺れる流人の心情まで、実に繊細かつ豪快に。


あますところなく、全身で伝えてくださいます。



無様がこんなにも美しい。



よろめく足取りと男泣きが、こんなにもサマになる役者が。



一体、ほかにいるだろうか?




今回もまた、素晴らしかった。



大トリの「思い切っても凡天心」から、幕切れの「未来で」まで。
俊寛の無念、断念の哀切が、それこそ、ほとばしるように。


その一挙手一投足に溢れておられた。


仁左衛門さんの基康も、麗しくて大変素敵でした。

涼しい立ち姿。
俊寛の煩悶を、見下ろす横顔の端整なこと。


去り際の、船上に扇を掲げる姿の鮮やかさ。
凛々しさ。



ま、ね。


ちょっと王子様が入っておられましたが、それもまた良し。


目の保養じゃ。




100922-1.jpg





なお、この芝居では、定式幕が開くと、一面浅葱幕。
冒頭、柝の音の合図で浅葱幕が振り落しになり、物語が始まります。


歌舞伎では定番の舞台効果の一つですが、何度見ても胸のすく、実に素晴らしい演出で。
わたしは、これが大好き。



先人の美意識の高さに、毎度毎度。


誇らしさで、胸が一杯になります。






もう一つの狂言、いかにも中秋の名月にふさわしい『引窓』。

これもなかなかでした。


染五郎は、わたしはあまり得意な役者ではないですが、今回は珍しく。


ああ良いな、と思いました。


松緑の長五郎は、出だしは、こりゃいくらなんでも相撲取りには見えへんがな、と。


心配しましたが、芝居が進むにつれて、これはこれで可愛らしくて良いかな、と。


この人は、台詞回しが綺麗です。




とはいえ、個人的にツボなのは、孝太郎の廓上がりの世話女房。


ちょっとバタバタしていましたが、そこがまたナイス。





その他舞踊三演目は、まぁそれなり、でございましたです、ハイ。








ともあれ、今月に関しては。


『俊寛』が本当に素晴らしいので。




幕見でもご覧になっておくことを、是非ともお勧めいたします。




歌舞伎がお好きでなくとも、見なれておらずとも。



とにもかくにも、吉右衛門さんの「立派さ」に。



「人」としてインスパイアされることこれ、請け合いでございます。



« 宗旦 | Home | 紅映 »

comments

>無様がこんなにも美しい。

ああ、なんか目に浮かぶみたい・・・。
兄弟でも幸四郎さんはちょっと苦手なのに
吉右衛門さんはラヴな私。なんでなんやろう?
声質の違いのせいかなー。
残念無念で今回は観ること叶いませんでしたが
MARIさんのおかげで残り香だけ感じさせてもらっちゃいました。
くんくん。

私も浅葱幕の演出が大好きであります。
分っててもわくわく~っとして、
「ほぅ」とため息をついてしまうんですよねー。

ayaさん

大きな声では言えませんが(って言ってますがな)、わたくしも兄貴の方は苦手でございます。

わたしは多分、兄貴の柄の小ささが好みじゃないんです。
あの生硬い、なんていうのか、せせこましさがどうも。。。
あ、でも、籠釣瓶の次郎左衛門なんかは良かったので、柄にあった役を演じていれば別にイヤじゃありません。
ただね、弁慶とか俊寛はご遠慮いただきたい・・・。

役者としてのスケールが、吉右衛門の方が数段大きいと思います。特に最近、見るたびにつくづくそう思うなァ。

歌舞伎は省略と誇張の演劇ですが、浅葱幕はそれを象徴する演出の一つですよね。
わたしの場合、子どもの頃から歌舞伎を観続けてきて、昔は何とも思ってなかったこれらの仕掛けや演出の巧みさや素晴らしさが、海外で頻繁に舞台を観るようになってから、身に沁みるようになったみたいです。
特に、NYで平成中村座を観たときかなァ。あのときほど、VIVA、NIPPON!って思ったことはなかったっす。

わたしゃオリンピックやワールドカップなんて一顧だにしない、自国が勝とうが負けようがどうでもええわい、というような薄情な女なんですけどね、あのときばかりはものすごい強烈な愛国心が湧きましたね(笑)

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