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Backstage of Majestic 5
Sat.10.07.2010 Posted in @Theater


その夜は、きっと眠れないだろうと思ったけれども。



とにかく横になって、体を休めた。






うつらうつらと、それでも。




ほんの少しは、まどろんだだろうか。









気がついたら、空が白んでいた。









夜明けと共に起きだして、花の手入れをして。






朝食をとった後。





わたしは、彼に、手紙を書いた。






今まで言えなかったこと。



彼を目の前にしたら、きっと言えなくなってしまうであろうこと。




でも、言わなければならないこと。




言うべきであること。









彼が、わたしの人生を変えてくれたこと。



そのことに、自分が、心から感謝をしていること。










選びに選んだ、美しいカードに。



一文字一文字、心を込めて。


単語単語を、噛み締めるように。



大切に文字を綴って。




仕上げに、蚤の市で見つけた、錆色の。




オリーブ・グリーンの、アンティークのリボンをあしらってから。




丁寧に、そっと、封をした。








その日の夕方。




花を携えて。




わたしは、開演前の劇場に入った。







わたしの訪れを知ると、彼は。




仕度を中断して、すぐに。




階段を降りてきてくれた。








互いの顔を見るなり、



わたしたちは。




昨夜は本当にごめんね、と。




手をとりあって。




互いの言葉に、自分の言葉を。




かぶせるようにして、謝っていた。










どうかお願い。



あなたは悪くない、全部わたしのせいなんです。




謝らないで。





わたしは、咄嗟に、彼の胸に手を当てて。




彼を押し留めるようにして。




それだけを、素早く言うと。





花と一緒に、彼に。




カードを手渡した。









手紙を書いたの。




読んでね。









わかった。


必ず読むよ、と頷くと。




彼は。







腕に抱いた、花束を。



愛おしげに、見下ろして。




My favoriteだ、と。




優しい声で、呟いた。









そして、わたしの目をじっと見て、訊ねた。







今夜の舞台の後に、もう一度来れるかい?



時間はある?











わたしは、首を左右に振った。






言いたいことは、全部手紙に書いたのだ。





今日は、帰ろう。




帰った方が良い。










彼には、わたしの気持ちが。




すぐに、わかったようだった。








このときのわたしたちには。



それ以上、言葉は必要なかった。






彼の腕に、自分の手を載せているだけで。




わたしには、彼の心が。




手にとるように、わかる気がしたし。







きっと、彼も。



同じだったんだろうと思う。







それに。




彼の目を見ているだけで。




彼の目に浮かぶ、微笑みだけで。




わたしはもう、十分に。




満たされていたのだ。








ハグをして。







最後のステージの後に。



最後の楽屋を、訪れる約束をして。





わたしは、バックステージを後にした。









さァ。




舞台の前に、何か。


軽く、食べておかなくちゃ。










タイムズ・スクエアを歩く、わたしの足取りは、軽かった。




晴々とした気持ちだった。









そのとき、ふと思った。









ああ、自分は、これで。




彼のおかげで。







ほんの少しだけ、また。






強くなったんだな、と。




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comments

美しい詩を読むよう

☆MARIさーんっ

あうっ、ダメだ。
またもや、涙だ。

マリさんが彼のことを語るとき、
それは、美しい詩のようで、
わたしの右の胸と左の胸は、
きゅーんと音たてて、鳴りますねん。

そしてー、
マジェスティックの
バックステージドアが、
浮かんできて、
愛のつまった花束を抱える
マリさんの美しく輝く瞳が、
見えるようです。


世界中できっと・・・

マダ松さまっ

ありがとうございますーーー!
わたしは、わたしの気持ちをわかってくださるとしたら、世界中できっと、マダムをおいてほかにはいない、と勝手に確信しているんです。。。(涙)
だから、ほかならぬマダムにそう仰っていただけると、もう、本当に嬉しいんです。
わたしこそ、泣きそうです。。。

この人生で彼にめぐり会えたおかげで、ものすごく幸福なことも沢山経験させてもらった反面、普通に生活していたらきっと味わわなくて済んだであろうような、まるでジェットコースターのように上下左右に瞬時に翻弄される、激しい感情に向き合うことにも慣れなければなりませんでした。

自分は彼に出逢えて幸せか?と自問自答すれば、間違いなく幸せです。
でも、辛いこともありました。

「出逢ってしまった」としか、本当に、言いようがないんです。
わたしが自分自身を知るきっかけを作ってくれたのが、彼でした。

彼がわたしを、長い長い眠りから、醒めさせてくれたんです。。。

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