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Backstage of Majestic 4
Fri.09.07.2010 Posted in @Theater



2009年、7月。



彼の降板を数日後に控えた、ある夜のこと。






この日は、ソワレの後。


彼の部屋を訪ねることになっていた。




にも関わらず、わたしは。




行かなかった。






このとき、わたしは、疲れすぎていたのだ。





5、6、7月と連続で。



仕事の合間を縫って、東京とNYを往復するという強行軍と。


連日連夜の劇場通いで、積もりに積もった疲労が。



もはやピークに達し。



それに、何と言っても。


この劇場で彼に会うことは、今後はもうないのだという想いと。




加えて。



彼の仕事を、最後まで、しっかり見届けなければいけない。

最後まで、彼を精一杯サポートしなければならないという、自分なりの矜持と。


緊張とで。




わたしは、一杯一杯になっていたのだった。




そう、言ってみれば。



わたしの心身は。




はちきれる寸前まで空気を詰め込んだ、風船のようなものだった。



ちょっとでもつつけば、たちまち破裂してしまうような。



そんな、ギリギリの状態だったのだ。







舞台の上の彼の姿を観ている間も。


いつものようには、集中できなかった。







わたしは、



彼の前では、



自分を隠せない。





彼は、とても鋭い人で。



わたしごときが考えることなんざ、いつも。



すべてお見通しなのだ。





きっと。





今のわたしを一目見たら、彼には。



何もかも、包み隠さず、わかってしまうだろうと。



わたしは、それが怖かった。





ああ、これはまずい。
こんなときに楽屋に行ってはいけない。



彼に迷惑をかける。








だから、わたしは。



いつものインドアへは向かわず。

正面から劇場を出て、バックステージ・ドアで。


彼を待つことにしたのだった。




スタッフに伝言を託して帰ろうかとも。


一瞬、考えたけれど。



やっぱり、一言だけ、彼に挨拶をしよう。


花を手渡して、すぐに帰ろう、と。



そう、思い直したのだ。






ところが。





30分を過ぎ、40分を過ぎても、一向に。



彼が出てこない。






急な来客でもあったかな、と。



さらに待ってみても、出てくる気配がない。





この日は、冷たい雨が降っていて。


体は冷えてくるし、体調は元々良くないしで。



段々、不安が募ってきた。




一体、どうしたんだろう?








結局。




この日、わたしは。



彼に会わずに、そのまま帰った。








わたしが外で、彼を待っている間。




彼は、楽屋で。




ずっと。



わたしのことを、待っていてくれた。




なのに、待てど暮らせど、現れないので。






諦めて、なんと。



フロント・ドアから帰ってしまっていたのだった。






几帳面な彼は、必ずバックステージ・ドアから出入りをする。



正面から出てしまうようなことは、滅多にないのに。







そんなことを、露ほどにも想像せず。



外で立っていたわたしに驚いた、彼のスタッフのTに。


事の顛末の一分始終を聞かされたわたしは、もう。




彼に申し訳ないのと、自分が情けないのとで。


その場で、あやうく卒倒しかけるところだった。





穴があったら入りたいような気分だった。






ここまできて、自分は何をやらかしているんだ。



自分が勝手にヘタレたおかげで、一体。


どれだけ迷惑をかければ気が済むんだ、と。





多分、あのときのわたしは。


ほとんど、半泣き状態だったと思う。







Tは、そんなわたしを。



きっぱりと、叱り。



そして、やさしく慰めてくれた。



明日の開演前に、必ず彼に会いに来るのよ。

あんたがここにいたことを伝えておくから。

6時半過ぎに来れば、彼はまだメイク前だから大丈夫。




そして、彼女は、わたしの体を抱いて、こう続けた。




こんなに冷え切ってしまって。


一体、どのくらいここに立っていたの?



いい?
あんたはもう、こんなところで待つ必要はないのよ。


彼は、あんたを待っているんだから。

あんたはいつでも、中に来て良い人なのよ。



わかってるでしょう?











彼と出会って、3年半あまりの間に、わたしは。



今思い返しただけで、顔から火が噴き出すような。


恥ずかしくも情けない失態を、それはもう。



山ほどやらかしているし。



がために、彼や、彼のスタッフに迷惑をかけ倒したことも、並一通りではない。



けれども。




このときほど、自分の間抜けさ加減を、呪ったことはなかった。




そして、このときほど。



彼の、そして、Tの。



優しさと愛情に、感謝したことは、おそらく。



なかったんじゃないかと思う。







そして。




二度と、彼との約束を違えるようなことはすまい。



自分をこんなに信頼してくれている人を、どういう形であれ。



どんな小さなことであれ。




絶対に、裏切っちゃいけない。




甘ったれた、子どもじみた衝動で。



愛する人を振り回すようなことを、金輪際。



たとえ死んでもするものか、と。





ブーケにしていた薔薇の花束を、夜更けに。


泣きながら、水の中でほぐしつつ。




このとき、わたしは。



固く。



心に、誓っていたのだった。







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comments

ううっ

ちょびっと涙。。。

1枚目のお花が好きーーーと書こうと思っただけなのに・・・

このお話を知っているのに・・・

おにぎりたんの横になっている写真を見たせいもあるかも・・・

毛玉がかわいすぎーーーと思いつつ、この夏がんばってーーーとおにぎりたんに言ってみました。。。


今月は、十分にあちらで甘えてきてくださいませね♪

yuriちゃん

ありがとう・・・(涙)

世の中で一番キライなのはチキン!(鶏肉じゃない方)と、常日頃から豪語しておきながら、己が一番チキンやないけこのド阿呆めが!って話でございました。。。
こうして書き残すまでに1年も寝かせているところが、またチキン・・・。

オニギリは、ゆりちゃんの元気を分けてもらったから大丈夫!この夏はもつと思います。
彼、ゆりちゃんのことがとっても好きみたいよ。

また遊んでやってね♪

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