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■MOVIE■『シャッターアイランド』 ★★★★
Sun.16.05.2010 Posted in Movie

shutter_island_poster.jpg



1954年、ボストン。




沖合に浮かぶ孤島、通称"シャッターアイランド"。
精神病の犯罪者を収容するアッシュクリフ病院で、病棟から、一人の女性患者が消えた。


連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)と、相棒のチャック(マーク・ラファロ)は捜査のために、フェリーで島に上陸する。


島内のどこにも、失踪した患者の姿はなく、島外へ脱出した形跡も見あたらない。
鉄格子の入った窓、断崖絶壁の孤島、

室内に残された靴。

彼女は、どこへ行ったのか?





マーティン・スコセッシ監督。
原作は『ミスティック・リバー』のデニス・ルヘイン。


共演にベン・キングズレー、マックス・フォン・シドー、ミッシェル・ウィリアムズほか。



原題は『Shutter Island』。




バリバリのジャンル映画です。


ザ・巨匠、スコセッシが監督するような話か?ってくらいの。
ジャンル映画的お約束が、全編これ、てんこもり。



ゆえに、はっきりと、好みは分かれると思います。



わたくし個人的には、無論、断固支持。




だって、面白いもの!





ということで、堪能いたしました。
大いに楽しんだ。




前後して、『ハート・ロッカー』や『プレシャス』や。
『オーケストラ!』やらの、傑作も観ているにも関わらず。


真っ先に、よりにもよってこの映画の感想を。

嬉々として書くところに、わたくしの趣味がもろに。




我ながら、わっかりやすいな!




shutter_island_01.jpg




謎解きそのものは、大したこたァありません。


というか、冒頭のフェリーのシーンで、しつっこく強調される。
"水恐怖症"のディカプリオ、とか。

大体、フェリーの内装が、なんかそもそも怪しいし!
何、あの、天井からブラ下がる鎖は?
(手錠?)


そのほか。

拳銃のホルスターを外すのに、やけに鈍臭く手間取るマーク・ラファロ、とか。

胡散臭さ丸出しのベン・キングスレーとか。


相変わらず、この手の、危ない女を演じさせたら天下一品。
ミッシェル・目が据わってます=ウィリアムズ、とか。


いちいちアクの強い役者が揃いも揃って、もうね。


これ以上ないくらいの、思わせぶり、かつ、タメの効いた。

サービス満点なジャンル映画芝居を、実に。


惜しげもなく繰り出してくるので。



冒頭15分くらいで、ほぼ、読めるんですよ。



先の展開が。




大体、道具立てからして、怪しさ満点。



孤島の精神病院、A棟は男性、B棟は女性患者。

C棟は凶悪な重病患者のみ、とか。


満ち潮になると、到達する手段のなくなる灯台、とか。
洞窟、とか。

嵐、とか。


消えた狂気の女性患者に、謎の暗号とか。


極めつけは、ナチスのトラウマにマーラー。



これだけ盛り沢山にアイテムが揃ったら、謎解きなんかは、別に。

話の本筋ではないと。


予め、作り手が観客にサジェスチィンしているようなものです。





もっとも、わたしは、大オチまでは読めませなんだ。

そう来たか!





語りかけてくる死者、とか。
凍りついた風景、嵐、密室、狂気、といった道具立ては。

『シャイニング』に、少し似ています。


が、キューブリックの持つ悪意は、この映画にはございません。


てか、そもそも。

主役が、シャイニングはジャック・ニコルソン。
本作はレオナルド・ディカプリオってところで。


根本的な思想からして、両者のスタンスがまったく違うのは、明白と言うもの。


オーバールック・ホテルの幽霊は、個々の感情というもののない。
ホテル総体としての怪物、ないしは狂気の出現として、描かれていましたけども。

本作に登場する大勢の死者たちは、より悲しく。

より哀切です。



湖のシーンで、ディカプリオが。

子どもたち一人一人を、泣きながら抱きかかえて歩くところは、胸にきました。



shutter-island-image-1.jpg


役者陣では、主演のディカプリオも、とても良かったですが。
何と言っても面白かったのは、ベン・キングスレーの大芝居っぷり。

胡乱な自称・穏健派の精神科医を、この上なくヤニっこく。


まさに、怪演してくださいました。


Shutter_Island-4-Ben_Kingsley.jpg



アスピリンを無理やり薦めるシーンや、ラストの灯台の立ち回りなんかはね。
歌舞伎なら、確実に、大向こうから掛け声がかかるところ。

スコセッシのニヤニヤ笑いが、スクリーンの向こうに見えるようでした。


ああ、監督、楽しんで撮ってるな、という。



Shutter_Island-8-Mark_Ruffalo.jpg


相棒=チャックこと、マーク・ラファロも良かったです。


この役は、基本的には、何もしない。

いわば傍観者的な役どころなんですが。
(その理由は、ラストで明かされる)


ディカプリオを遠巻きに見守る、しかし、決して直接的な手助けはしない。
でもって、さりげなく、次に進む方向を示唆する、という。

頼りになるんだかならないんだかよくわからない、でも、なんとなく信頼できそうな。


そんな風情が、素敵でした。




shutterisland_c3.jpg


"オチは容易に読める"と書きましたが。

わたしにはわからないところも、いくつかありました。


例えば、ディカプリオの回想・ないしは夢に頻繁に出てくる、ナチスの収容所のエピソードとか。


最後まで観ると、多分あれも、彼の妄想の一部なんだろうな、と思えるんですが。

そのあたりはイマイチ不明。




本作の結末は、それはそれはもう、たいへんに悲しいものなので。


やはりこれも、好みが思いっきり分かれるだろうなと思います。


少なくとも、"シックス・センス"的なカタルシスとか。
気持ちの良い涙は、一切、出てまいりません。


が、この苦い後味は、個人的には結構、好み。



Which would be worse, to live as a monster or to die as a good man?




Shutter_Island-3-Leonardo_DiCaprio-Michelle_Williams.jpg



最終的には、彼は。

自分の心の闇=モンスターと共に生きることを拒み。


自ら進んで、ロボトミー手術を選択する。


・・・ように見えます。



多分、最後は。

彼は、正気に戻っていたんだろうな、と。


マーク・ラファロも気づいたであろうことが、その表情と目線で、観客に示唆されます。




でも、どうしようもない。


もう、誰にも手出しはできない。


彼の選択を、見守るしか術はない。




だからといって、彼や彼らを責めることはできないよな、と。


わたしは思う。




だってね。



彼は、一人っきりで。


戦って戦って、戦い抜いた挙句に。

やっと、あの諦念に辿りついたんだろうから。




あれで、良かったんだろうな、と。




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