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La Bohème 
Thu.22.04.2010 Posted in @Theater


今から、25年以上も。


昔のこと。




オフ・ブロードウェイの、The Public Theaterで。


All English versionで上演されたオペラ。



『La Bohème』。




彼は、この舞台で。



ニューヨークの演劇界に、デビューした。





彼の役は、詩人のロドルフォ。




折りしも、街は、クリスマス・シーズン。





100422.jpg







ある夜。


楽屋の窓から、ふと外を見ると。


裏通りを、うっすらと。


白い雪が、覆っていた。




その景色が、忘れられない。




『La Bohème』だから、舞台でも、雪が降る。





外の通りと、舞台に、同時に。



降り積もる雪が。




本当に美しかった。


今だに忘れられない夜だ、と。




彼は、そう語ってくれた。




100422-2.jpg





そのとき、彼が歌ってくれた、ロドルフォのアリアは。



信じられないほど繊細で。


この上なく、やさしく。



懐かしくて、そして。




切なかった。







若き日の彼が、心から愛おしんだ。



100年前から変わらぬ、ヴィレッジの。


古い町並。




ロマンティックでリリカルな、プッチーニのスコア。





彼の前途を祝福するように。



ニューヨークの街角に。



静かに降りしきる、淡雪の。



音なき音が。




わたしの耳にも、たしかに、聞こえた。







闇夜の中に佇む、街の灯の。



仄かな温かさ。







舞台の合間の。



ほんの束の間の、静寂の中で。




たった一人。




黙って、雪を見つめていた。




未来への、希望と不安で彩られた。



25年前の、彼の。




若い、真摯な横顔が。





わたしには、そのとき、はっきりと。





この目に、見えたのだった。



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