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■MOVIE■『インビクタス/負けざる者たち』 ★★★★
Sat.13.02.2010 Posted in Movie

invictus-poster.jpg



1994年、南アフリカ共和国。


南アの歴史始まって以来、初の黒人大統領に就任したネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)。

長年続いたアパルトヘイト時代の人種間の怨恨を乗り越え、新生国家を船出させようとする彼は、ある日、ラグビー南ア代表の試合を観戦する。

南アでは、ラグビーは、白人が愛好するスポーツであり、それが故にアパルトヘイトのシンボル的な存在だった…。




クリント・イーストウッド監督の最新作。

共演にマット・デイモン、トニー・キゴロギ、スコット・イーストウッドら。



原題は『Invictus』。




たいへん真っ当で、素直な映画でした。



イーストウッドの近作の中では、本作は、まず間違いなく。

一番ラクに観られるというか。


肩に力を入れずとも鑑賞のできる、良い意味で「抜けのある」作品と思います。



実在の偉人伝、しかもラグビーもの、と言うので。

若干、身構えていたところがなくもなかったんですが。


そんなこたぁ、まったくの、杞憂でございました。



だって本作は、別に、”ラグビーもの”ではないからね。




ちなみに、わたくしは。

競技スポーツには、ほぼ。

一切の興味を持たない人間でございまして。

野球、サッカーのような団体競技から、競泳・スケート・格闘技等の個人競技にいたるまで。


まったく。


関心がございません。




スポーツは、かなり好きなんですがね。

あくまでも、「自分がやる」というのが、大前提なんです。


わたしにとっては、日々、地道に努力することで。

自分が今日できなかったことが、明日できるようになっていたり。

日々、己の体が変わっていったりするのが、スポーツの喜びであって。


そういう意味では、語学の勉強や何かと、全くの同次元。




だからね。


わたしが好むスポーツは、ヨガやジョギング、水泳やサイクリングにエアロビクス、と。

一人で、黙々と楽しむことができる、というのが基本。


人がプレイするのは、別に、どうでも良いというか。
鑑賞するだけで何が面白いんじゃろ、というか。


多分、特に、団体競技に濃厚にあるマチズム的なものが苦手なんだろうな、とも思います。



とにかく、興味関心は、常に、自分自身の内面に向いているようで。



そんなわたくしは、人よんで。


「修行系ドS」。




ま、そんな人間でございますから。



ラグビーなんざ、観たこともない。



し、ルールもまるで知りません。
(今後も知ることはなかろうて)




でも、概ね、楽しく鑑賞できましたよ。




というか、ラグビーは、単に。

ネルソン・マンデラの、その類稀なる、いわば「人蕩らし」っぷりを。


効果的に見せるための、単なる手段の一つとして描かれていたに過ぎませんでした。



さすが。


この視点こそが、イーストウッド。





でもって、どちらかというと。

ラグビーチームの主将を演じるマット・デイモンのストーリーよりも。

マンデラの警備を務める白人黒人混合チームのお話の方が。


キャラも立っていたし、絵的にも。

百倍は、美味しかったです。



でっかい大男たち(しかもまた、白人の方が、黒人よりも遥かに大きい。雲をつく的な巨人揃い)が、せっまい部屋に、みっちみちに詰められて。

筋肉の張った胸を突き出すようにして、睨み合う姿は。


間抜けで、かつ、たいへん可愛らしかった。



「笑え!」とかね。




あ、”笑い”といえば。

マンデラこと、モーガン・フリーマンが、頻繁に見せる微笑みは、たいへん素敵でした。


マンデラの不撓不屈の強靭さを、何も語らずとも。

柔らかな笑顔一発で伝えるんだからね。

大したものです。


フリーマンも、イーストウッドも。




あとは、そうだな。


絵的には面白い…というか。

イーストウッドが楽しんで撮っているな、そんなオヤジの顔が目に浮かぶぜ、憎いぜちっ!的なシーンが、実に沢山あって。


例えば、ラグビーの試合中に頻繁に出てくる、スクラム中の選手を真下・あるいは真上から撮るカメラとか。


むくつけきおっさんらが組み合う際の、どっしん!みたいな効果音とか。

彼らの、むんむんした、獣のごとき唸り声、とか。




invictus3.jpg


ああ、あと、ニュージーランド代表が踊る「ハカ」とかね。

あれは、実に見物でございましたね。



とにかく、それらがすべて、こちらまで。

思わず、ニマニマしてしまうような愛嬌に溢れていました。




まぁ、あの、航空機がスタジアムに突っ込んでくる場面はね。

ちょっと、やりすぎかな、とも思いましたけども。


あれを、ジジィ(=イーストウッド)の悪ノリと見るか、愛嬌と見るかは、判断に迷うところ。
(というか、見る人間の性根によるのかも)






とはいえ、イーストウッドは、謙虚で節度のある人なので。


正面切って、マンデラの偉業を讃えるようなことはせず。


彼の人柄は、あくまでも。
彼をとりまくシークレット・サービスや、ラグビー選手の目線で間接的に描写するに留めていますが。


唯一、マンデラ自身のモノローグという形で語られるのが、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩。


本作のタイトルにもなっています。



でもって、これが、イーストウッドのメッセージでもあるんだろうな、と思いました。





Out of the night that covers me,
Black as the Pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.
In the fell clutch of circumstance
I have not winced nor cried aloud,
Under the bludgeonings of chance,
My head is bloody, but unbowed.
Beyond this place of wrath and tears
Looms but the Horror of the shade,
And yet the menace of the years
Finds and shall find me unafraid.
It matters not how strait the gate,
How charged with punishments the scroll,

I am the master of my fate,
I am the captain of my soul.



invictus.jpg




人生に真剣に立ち向かったことのある人になら、誰にでも。


この詩は、深く、その魂に響くものだと思います。






書かれていることは、ごくごく、アタリマエのことなんです。



が、27年の長きに渡り、牢に閉じ込められていた人が。

生きるよすがにしていたという事実には、やはり、胸を衝たれます。



人間って強いものだな。



そして。



強い人間というのは、こんなにも、美しいんだな、と。




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