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59 St, Lexington Ave.
Fri.27.11.2009 Posted in @Theater


2日間で計5回の公演が、すべて終了し。




わたしは。



劇場のロビーで、彼を待っていた。





充実した、濃い二日間で。

わたしは、やはり、疲れていたし。


最終日には。

打ち上げやら、プレス用の写真撮影やらがあって。

遅くなるのはわかっていたけれど。



ショウの後で会おうと約束していたし。
何より、彼に挨拶もせずに、帰るわけにはいかなかったのだ。




かれこれ、3~40分は待っただろうか?



それでも、キャストの中では、一番早く。
彼は、パーティーから、抜け出してきてくれた。







タキシード用の衣装ケースと、着替えや靴や身の回りのものが入った。
大きなボストン・バッグを背負って。


その上に、わたしが昼間贈った花の包みを片手にもった、大荷物の彼は。


それでも、昼夜連続の5公演の後の疲労など、一切、表には出さずに。



すっかり。



いつもの穏やかな素顔に戻っていた。









そうして、二人で一緒に劇場を後にして。


歩いて帰る道すがら、わたしと彼は。


二人とも、なんとなく、いつもより。
言葉数が、少なくなっていた。




わたしについて言えば。

念願の、彼の新作舞台に駆けつけることができて、幸せで。

余韻が醒めやらず。

要するに、舞い上がっていたというか。
胸が一杯で、口数が少なくなっていたというのも、おそらくはあったと思う。


わたしの場合、舞台が素晴らしければ素晴らしかっただけ。
咀嚼するのにも、一定の時間を要する方で。

鑑賞直後の脳が沸騰した状態で、舞台の感想や感動を。

適切な言葉で表現するのは、ましてや英語では、なかなか難しいことなのだ。



だからわたしは、このとき。

舞台に関しては、具体的な感想ではなくて。

この2日間、あなたの舞台が観れて、自分はとても幸せだった。

ありがとう、と。


彼には、簡単に一言、そう言っただけだった。




それに。


次に会うときは。

Majesticでの、彼のファイナル・ウィークになることがわかっていたから。

そのことも、多分。
お互いの念頭に、あったんだろうと思う。


二人とも、あえて口にはしなかったけれど。






いつ"Phantom"に戻るの?

明日から出るよ。全然休みがなくってね。


ハードなのね。
残り1か月、体と喉をどうか大事にしてね。

うん、君もね。
今回は、本当にショート・トリップだったんだから。


7月はいつ来る?
もう決めた?

ファイナルの1週間前には来ていると思うわ。
多分、毎日、あなたの舞台に通うと思う。



そんな風に、ゆっくりと。
歩調を合わせて、歩きながら。

とりとめもなく、ぽつぽつと。


喋っているうちに。


気づいたら、わたしたちは。

いつのまにかSubwayの入り口に立っていた。






何でかわからないけど、わたしはこのとき。


何故か、ほんのちょっとだけ。
肩の荷が下りたような。

ほっとしたような気がして。




じゃあ、ここでね。
また来月ね。

本当に、体だけは大切にしてね。


と、あっさり言って。


彼に手を振って、歩き出した。





ところが。


先に数歩、行ったところで。


なんだか、ふと、呼ばれたような気がして。


振り返ってみたら、彼はまだ。


そこに立って、わたしのことを見ていたのだった。




そして。


振り向きざまのわたしと、目があった瞬間に。


彼は、にっこりと。

満面の笑顔になって。



同時に、両手に持っていた荷物を、地面に降ろし。


大きな声で、「おいで!」と言って。



わたしに向かって、その腕を広げたのだ。






わたしに、考える余地はなかった。


考えるより先に、反射的に、体が動いていた。





そのまま彼に駆け寄ると、わたしは。



彼の胸の中へ。


体ごと、飛び込んだ。



不思議なことに。


彼に、しっかりと抱きとめられたそのときに。



道々、わたしたちの間にあった、ぎこちなさは。


瞬時に、跡形もなく。


どこかへ吹き飛んでしまった。









深夜の路上で。



長身の彼と、小柄なわたしが。


身長差をものともせずに、抱き合う姿は。



傍から見たら、ああ、さぞや奇異な光景だったであろうな、と。


今でも思い返すと、気恥ずかしくもあるし。

何だか、笑ってしまう。




けれど。



同時に。



あの、Lexington Avenueと。


59 St.の角は。



わたしにとって、きっと。




これから先、一生忘れないであろう。

忘れられないであろう、大切な場所の一つになるんだろうな。




というか、もう、既にそうなっているな。



とも、思うのだ。



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comments

すごい。
どきどきしちゃった。
映画のワンシーンみたい。
そんな奇跡のシーンが起こる場所なのね。
Lexington Avenueと、9 St.の角って。

mint2さん

ありがとうございます。
素敵な絵を思い描いていただいて。

しかし、わたしは正直者なので言いますけども、多分ですね。
傍から見ると、わたしと彼の抱擁は、おそらくですね。
ロミオとジュリエットというよりは遥かにリチャード・ギアと秋田犬@HACHIに近かったと思います(笑)

ま、奇跡っちゃあ奇跡ですけどね。
ハチ公の逸話だってね(笑)

☆MARIさまっ

くーっ。もう、このシーンを思い描きながら、
くらくらしちゃいましたああああーーーっ。

思わず、マイケルがこんな風にしてくれたら・・
と想像するだけで、心臓一時停止状態のわたくしっ(ひーっ)

MARIさんっ、もうー
世界一のしあわせものーっ

彼とのこと、これからもずっとずっと、
1兆年書き続けてくださいませっ。

マダ松さま

一兆年・・・わかりました。
マダ松さまにそう仰っていただけたからには!受けて立ちます、わたしも女。

お約束いたしましょう!
100億光年はえんえんえんえんえんと書き続けましょうとも!(やめろ)

わたしの筆が未熟なせいで、なにやらお素敵に思っていただけるのでしょうが、わたしはWest44 St.のポチと呼ばれた女ですので!
彼にしてみれば、自分を慕って尻尾を振っている可愛い犬と、大差ないんですよ。

飼い主と忠犬ポチ。
わたしと彼の基本スタンスはこれです。

でも、当事者同士はそれが幸せなんです!
(つける薬なし)

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