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三月大歌舞伎
Wed.05.03.2008 Posted in 歌舞伎・落語

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本日は、仕事を早仕舞いして、銀座へ。

今年初の、歌舞伎を観て参りました。



3月の夜の部の演目は、『御存 鈴ヶ森』『京鹿子娘道成寺』『江戸育お祭佐七』の三本。

娘道成寺はしょっちゅうかかるし、お祭り佐七も何度か観ていますが、鈴ヶ森はわたくし、初見でございました。

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『御存 鈴ヶ森』は、鶴屋南北の「浮世柄比翼稲妻」の一場です。

江戸の高名な刑場だった鈴ヶ森(今の南大井のあたり。当時は場末・・・てか辺境地ですね)の寒々しい書割を背景に、白井権八と、侠客といえばこの人・幡随院長兵衛が出会うっていう。

ただそれだけを描いた場面です。


「お若えの、お待ちなせえやし」
「待てとお止めなされしは、拙者がことでござるかな」



むさいおっさん(白井権八は若い美剣士っていう設定ですが、演じてるのは芝翫です。つまりおっさんっていうか、むしろじいさん)が、陰鬱な風景をバックに、立ち回るだけのこの芝居。

しかしながら、これが、非常に美しかったんです。


権八は白塗りに江戸紫(江戸の若い男前といえば紫なんですよ)の、典型的な二枚目づくり。

相対する長兵衛の方はというと、粋な首抜き模様の上に、大胆な柿色の格子を合わせた、いかにも侠客らしい、貫禄十分のこしらえ。

この対比の美しさ。
凝りに凝った衣装の妙。

わたしにとって、歌舞伎を観る楽しみの一つはね。

こういう昔の日本人の美意識というか。
我々の祖先が持っていた、他の追随を許さない、素晴らしいセンシビリティを堪能することでもあるんです。

なんて綺麗なんだろうって。


歌舞伎を初めて観たのは15歳のときで、それから、数え切れないほどこの歌舞伎座に通っておりますが。

舞台美術や衣装を、より意識的に観るようになったのは、多分、茶道の稽古を始めてからじゃないでしょうか。

それと多分、B'wayで頻繁に舞台を観るようになったことがね。
わたしの場合は、大きいかと。

海外の舞台を観ると、逆に、日本の舞台の独創性や繊細さに、否応なしに気づかされるんですよね。

多分、B'wayで観劇するっていう行為それ自体が、自国の文化を相対的に考える機会になっているんだろうと思います。



去年、リンカーン・センターで、平成中村座を観たときにね。

エイブリー・フィッシャー・ホールのステージにかかった、黒、柿、萌黄の歌舞伎の定式幕を見て、yokoさんが。

「この色の配色を見ただけでうれしくなる。
日本人ってなんて素晴らしい色彩感覚を持っているんだろうと思う」

というようなことを仰っていたんですが、わたしも全く同感でした。

こんな粋な色の組合せ、西欧の人々の感性の中には、絶対にないだろうな。

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道成寺の、ぶっかえりの後の鱗文様も綺麗でしたね。
蛇神の方は、金の鱗で、捕り手は銀なのね。

その洗練度の高さといい。
抽象化におけるデザイン・センスといいテクニックといい、本当に素晴らしい。



お祭り佐七もよかったです。
仁左衛門は相変わらず素敵だし(笑)

菊五郎の佐七が、意外なほどよかったな。

この人は、時代物よりも、この手のちょっとべらんめえの入った、世話物ヒーローの方が断然いいです。

口跡がよくて、可愛げがあって、江戸前で。

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今月も堪能させていただきました。
松竹さん、ありがとうございました。



歌舞伎を観ることは、わたしにとって。

ああ日本人でよかった、この国に生まれてよかった!と。
心から、そう思わせてくれる、何にも代えがたい、至福の時間です。

来月も楽しみでございます。



歌舞伎座にいるときと、茶席に座っているときのわたしはね。

それこそ「超」のつく、国粋主義者なんですよ(笑)


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