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■MOVIE■『ミルク』 ★★★★☆
Sat.25.04.2009 Posted in Movie
milk.jpg


1972年、ニューヨーク。

保険業界で働くユダヤ人のハーヴェイ・ミルク(ショーン・ペン)。

40歳の誕生日に彼は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。
二人は、新天地を求めてサンフランシスコに移り住む。

ゲイのカップルであることを隠さない二人が開いたカメラ店は、たちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクとスコットは、彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。

ミルクは次に、マイノリティに対する権利と機会の平等を求め、世間の差別や偏見と戦いながらも市制執行委員会の選挙に立候補するが・・・。



ガス・ヴァン・サント監督作品。
本作でハーヴェイ・ミルクを演じたショーン・ペンは第81回オスカー主演男優賞を受賞した。

共演はヴィクター・ガーバー、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、デニス・オヘアら。




非常に真摯、かつ真面目に。

丁寧に作られた映画だと思いました。

監督の視線も、それに応えるショーン・ペンの演技も、とても繊細で優しかった。


伝記物と言っても、本作の主人公であるハーヴェイ・ミルクが暗殺されてから、まだわずか30余年。
この映画で描かれているのは、ごくごく最近の話です。


わたしはヘテロ・セクシュアルなので。
自分には多分、同性愛の本質的なところはわからないし、理解することはできないんだろうと思っています。

思うけれども、他人の異質さを排斥するような世界よりも、理解出来ないなら出来ないなりに。
友好的に受け入れ、認め、共存する社会の一員でありたいと強く願っています。

だって、自分以外の他人のことなんて、所詮、人はわかりゃしないんだもの。

それでも、人は、自分以外の誰かのことを愛するでしょう?

その対象が異性であろうが同性であろうが、そんなことは些細な差異だ。
人が人を愛するということ、それが何より肝心なわけで。


そもそもアジア人である自分は、マジョリティの中のマイノリティであるし。
加えてわたしは、どんな集団に属していても、いつも少しずつ、どこかではみ出てしまう人間です。



milk2.jpg


わたしの友人のホモ・セクシュアルの男性や、彼の周囲の人々は、皆とても優しい。

それはきっと、彼らの元々の性格に加えて。
それぞれが大なり小なり、生きる過程で。

様々な差別や偏見と戦って傷ついてきた。
傷つかざるを得なかったからかもしれないな、と時々思うことがある。



ああ、この人は、今までの人生で。
理不尽なことで、随分と傷ついてきたんだろうな。

傷つけられてきたんだろうな、と。

話していて、ふと感じる瞬間がある。


それでも、そこでいたずらに卑屈になったり、自分の殻に閉じこもるようなことせず。

頭をもたげて、上を向いて。
自分と、世間に、果敢に向き合ってきたんだろうな、と。

優しい挙動や声、穏やかな物腰の内側の、まるで鋼のような強さに。

わたしはいつも、胸を打たれるのだ。



Milk3.jpg


ショーン・ペンは素晴らしかったです。

人好きのするミルクの素直さ、誠実さ、柔らかさ、そして弱さまでを繊細に、見事に表現していました。

しかも、ただ優しいだけではなくて、ある意味露悪的で、その反面、保身にも抜け目なく。
かなり戦略的に大衆迎合性を打ち出していたミルクの、政治家としてのスタンスをきっちり描いていたのも良かったです。

結構ミエミエの、厭ったらしいことをしていても、どこか憎めない。
ミルクと直に接した人は、男も女も関係なく、彼のセンシティビティと正直さを愛さずにはいられなかっただろう。

そのように、自然にこちらに感じさせる演技でした。



ジョシュ・ブローリンも良かったです。

彼の体現するマチズムって、いつも、どこか哀しくて、見ていて切ないんですけども。
本作でも、その持ち味を十分に発揮していました。

この人、ほんと良い役者だと思います。


その他、脇も皆それぞれ、地味ながらも手堅い演技で作品を支えていましたよ。


アリソン・ピルやヴィクター・ガーバーといった、B'wayではお馴染みの役者たちが、重要な役で助演しているのもね。

舞台好きとしては、とっても嬉しかったな。

個人的には、openly gayのデニス・オヘアが、同性愛排斥主義のガチガチの保守派議員を、嬉々として演じていたのが、結構ツボでした。



ミルクが死んで30年後の現在。
世界は、彼の理想どおりの形にはなっているとはとても言い難い状況だけど。

保守と急進は交互にやってくるものだから、そんなに悲観する必要もないだろう、と。

わたしは個人的に、希望をこめて、思います。



人間の多様性を認めることは、大人への第一歩であり、また。
大人として、この社会で生きていく、そのための最低限の条件じゃないかな。


器の小さい人間には、他者を許容する余裕なんて、とてもじゃないけどないんだろう。
それは仕方がないことだし、第一、そこを責めても仕方がないというか。

責めるだけ時間の無駄だ。



先に大人になった方が、結局のところは勝つんだからね。

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comments

MARIさん、ご無沙汰しております~。
>ああ、この人は、今までの人生で。
>理不尽なことで、随分と傷ついてきたんだろうな。
>傷つけられてきたんだろうな、と。
あぁ、異性にも同性にも世代別にしてもこう感じられる
MARIさんを尊敬します。
話しても、メールしてても私も時折その人のバックボーンが
フラッシュするように見える瞬間があるのですが、そこで
私の場合は許容量が小さいせいか、許せない部分がでて
きたりするんですよね~。
そして、また自分で自分のそんな弱さのカルデサックに陥る。。。

性差異のことを強く意識していないというか、そしらぬふりして
ゲイの友人と刹那的に騒いで遊んでいるだけのような私。
MARIさんのブログをみて少しハっとさせられました。
ありがとうございます。
「MILK」、娘と見にいきますねー。弟子入り修行も
がんばってねー。(^^)

mnt2さん

そんな簡単に人のことを尊敬しちゃダメっすよ!(笑)
お会いしたこともないのに(笑)

でもって、誤解なきように申し上げておきますが、わたしの場合は自分がわかる、あるいは何らかを「感じる」ように思う相手っていうのは、あくまでもわたしが好きな人限定ですから(笑)

mint2さんは優しいんじゃないですか?
わたしはどうでも良い人や、苦手な方々のことは放置です、放置(笑)。
引っかかっることがあっても、意識的に流します。
相手は相手の立場でものを考えているんだから、そこをどうにかしようと思ったり、こちらの正当性を主張したりなんてのは時間の無駄ですもん。

自分の自由と尊厳を侵害された場合は、また話が別ですけどね。
それ以外は基本、「人は人、我は我、されど仲良し」でございますよ。

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