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「Story of …」 -カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶 展
Wed.01.04.2009 Posted in Art


MariaFelix2.jpg


「私の人生の支配者は私自身」 - マリア・フェリックス




東博・表慶館で開催中の『Cartier』展。

本展覧会のキーワードは、タイトル通り"Story"。

宝飾品もさることながら、その背景にある「物語」に、よりスポットを当てた企画展です。





メゾンの上得意客だった、世界中の王侯貴族や著名人たちとの交流を、ホログラムを使って立体的にプレゼンテーションするという。

吉岡徳仁氏監修による展示法は、幻想的で美しく。

展覧会場であるところの表慶館が醸し出すノーブルな雰囲気とあいまって、とても効果的だったと思います。



で、マリア・フェリックスです。


このメキシコの大女優がカルティエの顧客だったということは、わたしは今回、初めて知りましたが。
この方がオーダーした、爬虫類をモチーフにしたジュエリーの数々がね。

もう、本当に素晴らしかった。


マリアは、無類の爬虫類好きだったそうで。
あるとき、彼女は、ペットのクロコダイルを入れた瓶をカルティエのパリ本店に持ち込んで、こうのたまったそうです。


「私のために、このクロコダイルをモデルにしたネックレスを創って。
急がないと、大きくなるわよ」



何、この素敵すぎる逸話。


そんな天上天下唯我独尊女王様的オーダーを、当たり前のようにジュエラーに投げる彼女も彼女なら。
受けるジュエラーもジュエラー。

両者共に天晴れ。



こうして出来上がった、独創的かつ常識外れのジュエリーは、結果。
彼女とカルティエにしか成し得ない、究極のコラボレーションとなった。

素晴らしい。



しかし、そもそも。
考えてみれば、そもそも宝石やジュエリーっていうのは、このような性質をもったものなわけです。


今でこそ、猫も杓子も、それこそ。
そのへんのおばはんからおガキ様まで、皆。

カルティエだブルガリだヴァンクリだ、などとこぞってお気軽に騒いでおりますけどもね。

かつてはこれらの高級ジュエラーって、一部の特権階級のためだけに存在する店だったんだよな、と。

少なくとも、戦前までは。



カルティエがマリア・フェリックスのために制作した、世界でたった一つの鰐のペンダントを見て。
わたくし、つくづく思いました。


庶民が手を出そうもんなら、即座に大火傷する世界。

ジュエラーにしても、貧乏人のために廉価版を作るなら老舗の看板を下ろした方がええわい、くらいの意気地と矜持を持っていた。

そういう世界があったんだよ、と。



こんなもん、世界でただひとり。
マリアその人にしか、その身に纏うことはできないだろう。


maria2.jpg

今回の展覧会で大フューチャーされていた、2匹のクロコダイルをつなげたネックレス。
1975年、カルティエ作。

グリーンの方のクロコダイルは1,060個、66.86カラットのエメラルド。
もう一体は1,023個、60.02カラットのイエロー・ダイヤモンドがあしらわれています。

”ゴージャス”を一億光年くらい通り超した、この燦然たる輝き。
そのへんの「自称・マダム」が裸足で逃げ出す、この貫禄。

この迫力。

ジュエリーってのはこういうもんだ。



そしてまた。

底無しの神秘性と、そこにただいるだけでドラマを感じさせる、マリアのような”ザ・美女”にこそ。

本物のジュエリーというものはふさわしいんだな、と。

彼女はその圧倒的な存在感でもって、われわれを納得させてくれますよ。

女優というのは「優れた女」と書くんだったな、とか。
そういえば。


彼女のコーナーに行きつくまでに展示されている、コクトーやらグレース・ケリーやらエリザベス・テイラーやら。
インドのマハラジャやらロシアの貴族やらのためのジュエリーの数々が、はるか遠くに霞んでいくような、ド迫力。

比類なき説得力です。


マリアのような女性は、ジュエラーにとって。
そしてクリエイターにとって、何よりの宝だっただろう。

彼女の強さ、美しさ、野生。
品格。

彼女の存在が、どれだけ彼らを奮い立たせ、インスパイアしたか。

人間のクリエイティビティの素晴らしさっていうのは、こういうことを言うんだろうとわたしは思う。
美しいものは美しいものに出会って、さらにその美に磨きをかけるのだ。



mariatop.jpg



わたしも宝飾類は好きですし。
所詮女でございますので、人並みに、見栄も物欲もあります。

しかし、やはり。

底なしの物欲と煩悩に屈して、ただ闇雲にジュエリーを欲しがっているだけではあかん、と。
金に飽かせて宝石を買い集めるのなんざ、全く意味のない行為だな、と。

意味がないどころか、恥ずかしいことでさえあるな、と。

そのように、改めて思いました。


まずは己が、美しい宝石にふさわしいだけの「物語」。
ドラマを持った女にならないとあきまへんよ。


がんばります。



そんなわけなのでね。


奥様や恋人に、日々宝飾をねだられ。
彼女たちからの「買うてくれ」攻撃に、日夜防戦一方な男性諸氏方にも、本展覧会は、実は結構オススメです。

あなたが何も語らずとも。

宝石たちが、あなたの言葉の百万倍は説得力を持って。
あなた方のパートナーに、無言の圧力をかけてくれます。


曰く。


「オマエには百年早い!」


ってね。



あなたのパートナーが聡明な女性だったら、きっと大丈夫。
多分。

効果覿面だと思います。


是非お試しください。


長い歴史を誇る老舗ジュエラーの展覧会だけあって、むろん。
近現代の一大美術工芸展として観ても、とても充実した内容になっておりますよ。


現在、上野にて開催中です。



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